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2006年7月 3日 (月)

陽なたの竹

私が最も好きな格言の一つです。

(以下、引用)

話し終わって、石舟斎は、つぶやくようにこう述懐した。

南向きのやぶ竹とは、いったい何の比喩であろうかと、家臣たちは解けない顔をしていたが、そう例えられた当の宗矩には、よくわかっていたとみえて、面目なげにさし俯向いていた。

幼少の頃、父の石舟斎が、道場に立って、手ずから子を木剣で打ち鍛え、また訓戒するたびによく、

(―陽なたの竹ではだめだぞ!)

と、云ったことを宗矩は今、思い出すのであった。

宝蔵院の胤栄が、よく尺八を吹くので、その胤栄がある折、尺八のはなしにことよせて、

(ご当家もご子達がたくさんであるが、子を育てるには、北向きの藪竹にしておかねばいけませんな)

と云ったのを、石舟斎がひどく感心して、それ以来、つい子どもへも、口ぐせになって出ることばであった。

胤栄が云った尺八のはなしというのはこうである。

彼が、多年の経験に依ると、尺八を作るため、よい竹を探し求め、多年手にかけてみると、結局、地味も肥え、陽あたりもよい南向きの藪に育った竹からは、一本の名管も生まれたためしはない。

それに反して、地は痩せ、冬は氷や霜ばしらに虐げられ、生まれながら若竹のうちから、簫々と寒風に苦しめられて育った北向きの藪からは、勿論、笛にもならない拗者もできるが、多くの名管はみなそこから生えた竹にかぎるーという話なのであった。

(出典;「剣の四君子」から「柳生石舟斎」、吉川英治全集28、講談社)

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